BLOG

ランドセルリメイク

ランドセルリメイクで後悔しないために ― 年2万件の工房が見てきたこと

Askalカバン工房には、毎年たくさんのランドセルが届きます。2025年にお預かりしたのは22,309個。一つひとつに、6年間の通学の記憶が詰まっています。

これだけの数のランドセルと向き合っていると、ご依頼のあとで「先に知っておけばよかった」とお感じになりやすい点が、自然と見えてまいります。この記事では、工房の中で実際に見てきたことを、そのままお伝えいたします。どれも、ご依頼の前に少しだけ気にかけていただくことで防げることばかりです。

職人が、ランドセルの青い革から型を使って小物の形を抜いている手元

1. お届けまでのお時間について

いちばん多くいただくお声が、お届けまでのお時間です。Askal では、ランドセルが工房に届いてから完成品をお届けするまで、6〜9か月(目安)のお時間をいただいております。

お時間をいただく理由は、ご依頼の時期にあります。ご卒業を迎える春、3月から5月にかけての3か月に、1年のご依頼の半分以上が集まります。職人が一つひとつ手で仕立てるため、この時期にお預かりしたランドセルは、どうしてもお届けまでに長くお時間をいただくことになります。

ご卒業の前後は、思い出の整理などでお忙しい時期でもあります。焦らず、ゆとりをもってご依頼いただけましたら幸いです。

月ごとのご依頼の割合の棒グラフ。3月25.0%、4月19.0%、5月8.5%で、3〜5月で1年の約53%

2. ひび割れのあるランドセルについて ― 30秒だけ、かぶせを曲げてみてください

ランドセルの革は、6年間の使い方や、その後の保管の仕方によって、状態が大きく変わります。表面にひび割れが広がっている場合、残念ながらご希望の品をお作りできないことがございます。

お財布のように、毎日開いたり折り曲げたりする品は、ひび割れた所から、さらにひびが大きく広がってしまいます。また、素材の加水分解が始まっている場合は、傷みがより早く進みます。触れたときに、しっとりと湿ったような感触がある場合は、お作りするのがかなり難しい状態です。せっかくお仕立てしても長くお使いいただけない品を、お届けしたくはございません。

ご依頼の前に、ご自宅で確かめていただける方法がございます。

  1. ランドセルのかぶせ(ふたの部分)を、30秒ほど折り曲げてみてください。
  2. 縁だけのひびや、細かなひびでしたら、基本的にはお作りできます(下の写真の 01・02)。
  3. 一部分に大きなひびが入る、表面が粉をふいたようにはがれる、べたつく、という場合は、お作りが難しい状態です(下の写真の 03・04)。ご依頼の前にご相談ください。

最近の記録では、革の傷みやひび割れなど、ランドセルの状態を理由にご相談させていただくのは、全体の約5%、20個に1個ほどです。

○ ご依頼いただけます(01・02)

01 縁のみひび割れ(○〜△)02 細かなひび割れ(△)

縁だけのひびや、細かなひびは、基本的にはお作りできます。

× お作りが難しい状態です(03・04)

03 一部分ひび割れている(▲〜×)04 ひび割れ・べた付き・腐食カビ(×)

ご依頼の前にご相談ください。

くわしいセルフ診断は トップページ でもご覧いただけます。

3. 素材と保管のしかたで、傷み方が変わります

ランドセルには6年間の保証が付くほど、もともと丈夫に作られています。それでも、素材の種類や、ご卒業後の保管のしかたによって、傷み方には大きな違いが出ます。

なかでも、ランドセルの多くに使われている人工皮革(クラリーノなど)は、ポリウレタン系の素材です。しまっておく間に加水分解が進むと、表面がべたついたり、はがれたりすることがございます。「いつか」とクローゼットに大切にしまっておいたランドセルが、数年後に開けてみると傷んでいた、ということもございます。

人工皮革のランドセルは、状態のよいうちにご依頼いただくのがおすすめです。牛革やコードバンは人工皮革ほど急ぐ必要はございませんが、コードバンは水に弱く、湿気の多い場所ではシミやひびの原因になりますので、風通しのよい所で保管なさってください。

4. 「この部分を使ってほしい」というご希望について

「かぶせの、このキズの所を残したい」「この模様を使ってほしい」。そうしたお気持ちは、私たちもとても大切に受け止めています。

ただ、ランドセルは一つひとつ、デザインも形も大きさも異なります。そのうえで、お財布やケースとして毎日気持ちよくお使いいただける形に仕立てるとなると、どこを、どの品に使うかは、実際にランドセルを手に取ってみなければ決められないことがほとんどです。

そこは、年間2万個を超えるランドセルと向き合ってきた Askal の職人に、どうぞお任せください。工房には、革の専門資格を持つレザーソムリエプロフェッショナルも在籍しております。6年間の思い出が、これからも毎日使える形になるよう、一つひとつ見極めてお仕立ていたします。

また、ランドセル1つから取れる革の量には限りがございます。お財布2個セットでは、一緒にお作りできない組み合わせがございます。追加でお作りする品は、革の量によってはお作りできないことがありますが、お作りできた分だけお代をいただき、お作りできなかった分はいただきません。

いちばん多く選ばれているのは、お財布にケースと小物、キーホルダーがそろう「お財布セット」(15,800円・税込)で、ご注文のおよそ3分の2を占めています。セットごとの料金と中身は、ランドセルリメイク セット・料金一覧 にまとめております。

ランドセルのかぶせに金属の型を当てて、どの部分の革を使うかを決めているところ

5. ランドセルの形は残りません ― 残った部分のご返却について

リメイクでは、ランドセルをほどいて革を切り分けるため、元のランドセルの形は残りません。

「残った部分も手元に置いておきたい」という方には、ご返却のオプション(+1,650円・税込) をご用意しております。裁断のあとに残ったランドセルを、そのまま袋にお入れして、リメイクの品と一緒にお届けいたします。ご返却をご希望の方は、お申し込みのときにお選びください。

ご依頼の前に(まとめ)

  • お届けまで、6〜9か月(目安)のゆとりがあるか
  • かぶせを30秒折り曲げて、ひびが入らないか
  • 触れたとき、しっとりと湿ったような感触がないか
  • 人工皮革のランドセルを、長くしまったままにしていないか
  • 残った部分を手元に置いておきたいか(ご返却のオプション)

Askalカバン工房のリメイク品には、すべて永久修理保証が付いています(素材そのものの傷みは対象外です)。ご不安なことがございましたら、ご依頼の前に、どうぞお気軽にご相談ください。

赤いランドセルの革で作ったお財布セット。長財布・コインケース・パスケース・小物・キーホルダー3つと、ランドセルの形の箱

ご自分のランドセルで、どんな品がお作りできるか。料金とセットの中身は、こちらでご覧いただけます。

ランドセルリメイクのセット・料金を見る
ご相談・お問い合わせはこちら

INFORMATION